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コラム

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KPMベルリンの陶板画の見方について

KPMベルリンの陶板は数々の名画を平たい磁体(陶板)に精緻な絵付けを施してあり、とても人気があります。

KPMは自分の窯で絵付けしたものもありますが、絵付けのされていない白磁の陶板を外部の絵付け工房や個人のアーティストにおろしておりました。そのため、 KPMの窯印が付いた陶板画であっても、残念ながらそれがKPM窯内で絵付けされた「100%KPM窯製」のものかどうかは特定できませんが、絵付けのレベルの高いものはKPMベルリン(ベルリンKPM)であるといってもよいものが多数あります。
KPMの窯印が刻印されている陶板画全体を「KPM陶板画」と呼び習わしていますが、 KPM陶板画を購入なさる場合には、絵の質が良いものを選ぶことがとても大事です。

信頼のおける店であることも重要ですが、ご自身でも実際に品物をご覧いただくことが肝心です。

見方としましてはまず、明るい光のもとで、様々な角度から拡大鏡などを使ってじっくり絵を見て、細かい筆遣いを確かめて、すべて手描きであるかどうかをチェックしてください。
細かい点で絵が構成されているようであれば、それは転写による絵付けで、陶板のイメージはシャープで写真の写しのような印象になります。陶板の端が突然終わっているような場合も転写です。
贋物は、オイルペイントで簡単に描かれることさえあります。その場合は色が濃くて油っぽい印象で、もし火にかけてしまえば燃えて灰になってしまいます。そのような陶板の表面はスムーズでなく、でこぼこしています。

それから、白磁の上に絵付けをするので、白色は絵の具としては存在しません(ごく例外的にレースや光のアクセントを白エナメルで表現しますが、これは指でなぞってみれば盛り上がりですぐに分かります)ので、白い絵の具が使われていないかどうかもチェックポイントです。

また、良い陶板画は絵付けと焼成を10回以上繰り返すので、各色の絵の具がしっかり陶板に定着し、磁器の上に塗られた絵の具はほとんど透明になり、光が磁器に吸い込まれるように見える特徴を持っています。

KPMベルリン陶板 KPMベルリン陶板

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